がちゃん

パピヨンのがちゃんのレビュー・感想・評価

パピヨン(2017年製作の映画)
3.7
1931年に殺人罪で終身刑を宣告され、南米のフランス領ギアナの刑務所に入れられて、脱獄と入獄を繰り返した脱獄囚アンリ・シャリエールの書いた自伝の映画化。

胸に蝶の刺青があることから“パピヨン”と呼ばれた男。
彼は無実を叫びながらも終身刑を言い渡されて劣悪な環境の刑務所に入れられる。

彼は脱獄の資金を得るため、偽国債の発行の罪で同じ刑務所に入っていたドガという男に近づくのだが・・・

パピヨンが脱獄に失敗して入れられる独房が恐ろしい。
看守はこう言います。

『ここは人間を矯正する場所じゃない。
人間を破壊するところだ。
精神的にも、肉体的にも。』

衛生的にも最悪で、虫の入った食事を出されたり、独房内で反抗的な態度を取ったがために、ついには光まで奪われてしまう残酷さ。

何度も企てられる脱獄シーンは、常に死と隣り合わせで迫力十分だが、
一旦逃げ延びたと思わせた離島でのハンセン病患者との挿話や、原住民たちの交流のシーンは少々問題ありかな。

パピヨンをスティーヴ・マックイーン、ドガをダスティン・ホフマンが演じているが、終盤、すっかり老け込んでしまった二人が再会する場面は、凝ったメイクの効果もあってグッとくる。

そして断然いいのは、
断崖の上での二人の別れのシーン。
二人ともいい表情を見せる。

音楽も見事で、
ジェリー・ゴールドスミスのスコア。
練りこまれた脚本はドルトン・トランボ。
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