しらたまちゃん

愛がなんだのしらたまちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

愛がなんだ(2018年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

「恋愛」映画としてではなく普遍的な「愛」の物語として捉えるべき作品。

「愛」は「技術」だから知識や能力が必要で、「愛されること」よりも「愛すること」の方がより難しく心地良い。「愛すること」が下手な登場人物たちが四苦八苦する姿は痛々しくも見応えがある。

突然始まる深夜の夜道でのラップや子ども時代の回想はコミカルで、全体的なトンマナから漂うホラー感や物悲しさを軽減させていて良かった。

「愛」の技術に長けている人物として印象的に描かれた、すみれさんと仲原くん。
不器用で不安定なテルちゃんを心配してかわいがるすみれさん、お互いのためを考え大好きな葉子さんと会うことをやめた仲原くん。

すみれさんは充実した私生活、仲原くんは写真、それぞれ自分の生きていく軸があって、自分を愛しているから他人を愛することが出来る。
周囲の人間はその軸を自分の中に取り込み、影響を受ける。
この同一化の過程が「愛」の技術だとすると、マモちゃんとテルちゃんが「愛」の技術を習得するにはまだまだ足りないものが多そうだ。
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