りょう

The Witch/魔女のりょうのレビュー・感想・評価

The Witch/魔女(2018年製作の映画)
3.4
 日本で劇場公開された当時に評判がよかったことは記憶していますが、続編を観られそうなので、1作目から観てみました。大友克洋監督の「AKIRA」やシアーシャ・ローナン主演の「ハンナ」をミックスしたような展開を期待しましたが…。
 韓国の映画には魅力的な料理が登場することが少なくありませんが、この作品の飲食シーンは最悪でした。かなり下品な咀嚼音とか、ちょっと耐えられません。食べものを口にいれたまましゃべるのもやめて欲しいです。ゆで卵の“窒食”シーンも…。物語のテーマと無関係なところですが、前半で早々に萎えてしまいました。
 アクションエンタメのはずが、冒頭につかみのシーンもなく、本筋の物語が妙に謎めいたまま、ダラダラとゆる~いホームコメディのような前半が長尺に過ぎます。中盤の急展開は、過去を経験した誰もが「忘れるはずがない」みたいなことを言っていたので、あまり意外性がありません。
 後半の格闘シーンは、彼ら彼女らがあまりに超人的で、VFXに依存しなければ映像化できないレベルです。表現したいことは理解できますが、アクションの醍醐味を感じられるものではありませんでした。
 そもそも、あの組織はいったい何だったのか…、“会社”と言われていましたが、政府機関とは無関係なのか…、何を目的に子どもたちを“改造”していたのか…など、謎が謎のままでした。そこをすべて端折っているので、物語としては単純すぎて、主人公であるジャユンの心情や登場人物の行動原理が深掘りされていません。続編で判明することを期待しますが、単体としては物足りない作品でした。
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