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劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~のtjrのレビュー・感想・評価

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26話かけて描いた1年生編と比べ、100分で描かれる2年生編は少し物足りなくもあるけれど、そのぶんエッセンスが緻密に抽出されていた。

繰り返し描かれていた「初心者先輩・経験者後輩問題」も再び。
今回は主人公が板挟みにされることで成長を感じとれた。

それにしても、ポニーテールを結ぶ動きやグータッチ前後の手の揺れなど、「無くてもいいけれど有ると素晴らしい」という作画クオリティがまた凄まじかった。
吹奏楽未経験ながら、楽器演奏でも同じことが言えるのかな?
制作への姿勢が物語の理解度を上げるという神業にため息が出た。

【2024/05/12 再鑑賞】
2年生になり、後半指導の担当になった久美子。その姿勢の端々にあすか先輩の影響が見え隠れしていて感慨深い。

初見ではどうしても尺が足りず物足りないと感じていたが、見返すと逆に、よくここまで様々なエピソードを入れ込んだな、と構成力に脱帽する。

相変わらず様々なことに首を突っ込む久美子だが、あすか先輩、そして奏にも同じことを指摘されたからこそ、自分を受け入れたうえでポジティブに行動するという成長を感じてグッときた。

学園物という、毎年同じ目標に向けて、同じイベントを通じて時を重ねることを逆手に取り、“お口縫っちゃうよ?”“ハッピーアイスクリーム”など同じ台詞を繰り返す演出も憎い。

演奏は劇場版だからこそのフル尺で大満足。
「リズと青い鳥」を観た後だからか、サンフェスで踊ったり、バスで剣崎とトランプする様子など、みぞれの社交的な面が差し込まれていたのは嬉しかった。
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