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search/サーチ(2018年製作の映画)
3.8
今やパソコンとネットさえあれば、あらゆるものを”簡単”に可視化できる時代だが、家族の関係性を”見える化”するのは難しいと日々”感嘆”する貴兄にオススメしたい。

物語は最初から最後まですべて自宅のパソコン内にクローズした状態で進行するという、ちょっと風変わりな建付けの映画。

冒頭、そのパソコン内にある家族写真やビデオファイルの断片を通して、短時間ではあるが家族の悲喜こもごもの風景が、ハートウォーミングな音楽とともに走馬灯のように流れる。

夫・妻・娘の3人から始まった家族は、妻の病気から、悲しいかな父・娘の2人になってしまう。

なにやらどこかの医療生命保険のCMみたいな導入シークエンスに、しんみりとしてしまう。

そういうテイストの家族物語なのかと思いきや、全く話は別物で、早々に娘の失踪事件に切り替わる。

娘マーゴットが音信不通となり、父は最初は遊びほうけやがってといきりたつのだが、まったく連絡が途絶えてしまうことに不安となり警察に連絡する。

父の執念から、単なる娘の家出と思われた物語は大きく転換し、二転三転と想定とは異なる展開を迎える。

すべてがパソコンを通した映像として描かれる枠組みと、それに呼応するかのようにパソコンから得られる小さな情報の断片の積み重ねから浮かび上がる、パズル的真相がユニーク。

ただ、注文をつけるとすると、娘役のキャスティング。
アジアンな家庭という設定であるし、ああいうティーンいるよなぁという気もするが、幼少期を演じた子役があまりに利発でチャーミングなので、その成長過程にあるティーンとなったマーゴット役を演じた女優さんには違和感(彼女には申し訳ないが)

それと、もっと遊びがあってもいい。
単に、WindowsやMacといったスタンダードなパソコンのSNSツール、OAツールを羅列するのではなく、妄想的にAIを活用し(さすがに制作された年にはCHATGPTなどの生成AIは登場してなかっただろうが)娘の人となりをAIに分析させ、調査させるといった遊び心を入れることもできただろう。
AIの素っ頓狂な回答が実は真相に近かった。。。なんて話があっても面白いかも。

後味についても書きたいが、ネタバレになりそうなのでやめておく。
くれぐれもネットで結末を”サーチ”しないように笑。

あ、後、ティーンの娘に自身のダジャレが受け入れられないことに驚愕する日々をおくる貴兄にもオススメな映画です(自分の学生時代は共学だったのになぁとか。。。まだ言うか笑)
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