Stevie

孤狼の血 LEVEL2のStevieのレビュー・感想・評価

孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)
4.3
かつて、日本に生息していた日本狼を神格化した存在であった大口真神(おおくちのまがみ)。
それらが祭られている神社ではそのご利益を一言で「道を極める」というらしい。 
まさに"極道"だ。
昭和30年代頃には「暴力団」として一括されたが、江戸時代での極道は、弱きを助け強きを挫く存在であった。

この映画は、ヤクザの抗争に巻き込まれ殺害された刑事の仇を打って裏組織を制圧してきた主人公が、かつての事件の復讐を試みる人物との対立で新たな抗争が勃発するという、時代は昭和から平成へかけての物語である。
冒頭からエンタメ満載で主要キャストの勢いも凄かった。 

"目で演技するものを役者と呼ぶ"。

彼らの目そのものがこの映画のストーリーを際立てた。歌舞伎の「にらみ」にもあるが、これこそが我々を物語の中へ誘う術である。
これが出来る役者は多くない。 
目で怒れ、目で泣け、目で笑え。
役者の表情を細部にまで確認できるのはまさに映画だ。これが舞台とは異なるポイントだ。

舞台とは客と役者が一体となって臨場感のある"生"のステージ作品であるのに対し、映画はよりリアルを追求でき、事が起きた場面、様々なアングルで撮影でき、音を加え演出を施し、良いものが取れるまで何度も"やり直し"ができるのもその特徴の一つである。
だから限りなくリアルを追求することができる。その分期待も上がるしその逆もしかりだ。

最後に一言だけ言わせて欲しい。
この映画の中で一際目立つ存在の子がいた。その子がいなければこの作品はもっと良くなっていただろう。
これには是非共感して欲しいと願う。以上。
Stevie

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