しろくま

このまちで暮らせばのしろくまのレビュー・感想・評価

このまちで暮らせば(2018年製作の映画)
3.6
《作業士っぽくなってきたなあ》
〝本当ですか?シゲさんのおかげですよ〟〝調子に乗んじゃなかぞ。今日も一歩間違えば事故につながっていたかもしれん。ばってん、お前みたいな者が入ってくれると嬉しかなあ〟

地域色を前面に打ち出した映画と言えば、現在公開中の〝翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜〟が大ヒットを記録し、ディスっているのに地域経済の活性化に貢献しているっていう不思議な作品だったけど…。他にも北海道を舞台にした大泉洋さん主演の〝探偵はBARにいる〟シリーズ、福岡大好き芸人の博多華丸さん主演の〝めんたいぴりり〟も地域推しの映画だね。

南小国町まちづくり課のホームページで公開している本作も、地域色豊かな素敵な作品。南小国町は、熊本県の阿蘇地方にある町で、阿蘇山を望む雄大な自然、観光地として有名な黒川温泉などの温泉地、「熊本緑の百景」第1位に選ばれた瀬の本高原などがあり、2023年にはBooking.comの「Traveller Review Awards 2023」にて日本で「最も居心地の良い場所」第1位にも選ばれた魅力的な町なんだけど…。

若者がどんどん少なくなっているのはこの町も同じで、何とか過疎化を食い止める手立てはないものかと知恵を絞って作られたのが本作。温泉や小国杉を抱える九州熊本の南小国町を舞台にした地域発の映画で、代々植樹と剪定、そして伐採を繰り返して育まれる森と人の成長と親子の繋がりを重ねあわせたハートフルな物語。

主演の笠松将さんといえば〝いとしのニーナ〟で堀田真由さんを拉致って監禁していた悪い奴ってイメージが強かったけれど、勝野洋さんとのやり取りはとっても自然で、めちゃめちゃ好青年。ヒロインの芋生悠さんも公開中の映画が好評な新進気鋭の女優さん。勝野さんも芋生さんも熊本県出身で、こうした地域の映画に出演をされるのっていいよね。

視聴メモ:2023.12.31/196/南小国町まちづくり課のホームページで公開中
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