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姿 三四郎のmitakosamaのレビュー・感想・評価

姿 三四郎(1981年製作の映画)
3.1
黒沢初め過去に何度も映像化されている姿三四郎。キャラデザのモンキーパンチ、主演の西城秀樹に共に、坊ちゃんのスタッフそのままに制作。

しかし、出崎演出が冴えた坊ちゃんに比べるとチョット野暮ったい印象はあるな。
冒頭から三遊亭円丈だもん。え?実写???と驚く。ナレーター役とのことだが、円丈のノリがいきなりサムいなぁ。
この起用のセンスは誰なんだろ?

坊ちゃんに続くヤングマン秀樹の声の演技だが、やっぱり爽やか。アニメの作りもあり、姿三四郎自体に闇が無く、専らの好青年。
他流試合やなんだの血生臭さが一切無い。アニメ作品としては健全で正しいアプローチなのだと思う。

しかし、ギャグとかズッコケのノリに、ちょっと時代を感じさせる。
更にサントラが妙に浮いてて、合って無いんだよな。
お陰で全体的にフワフワした違和感が残る。

また、三四郎の友人に若き日の夏目漱石が登場。後に“三四郎”を書くというネタなんだろうね。
だったら漱石をストーリーテラーにしたら良かったのに。そしたら円丈はいらなかったよ(笑)

姿三四郎のモデルは、実在の柔道家西郷四郎と言われているが、西郷と西城をかけた洒落じゃなかろうな?
この映画では山嵐は出てこない。その代わり猫のように受け身をとる。
投げ技も、何メートルも放り投げるという漫画っぷり。ここもご愛嬌かしら。

でも、この路線はもっと続けたら良かったのにね。純文学等のアニメ化は今もあるし、需要は高いと思うんだ。
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