ワンコ

ある女優の不在のワンコのレビュー・感想・評価

ある女優の不在(2018年製作の映画)
3.5
女性のこと
変わりばえのしない乾いた風景のなかで、イランの女性の置かれた状況とか、おそらく日本でも似たようなことがあったんじゃないかと思わせる因習が語られる。

感情をぶつけ合うように繰り返される会話は、何かこの社会の抱えるフラストレーションのようだ。

また、イスラム世界では、一夫多妻であることはよく知られたことだが、一部の富裕な人の間のことかと思うと、こんな人里離れた田舎の小さな家族でもそうなのかと、そして、女性の地位もさして向上してないのではないかと少しネガティブな印象も持つし、エンディングでジャファリが歩く、曲がりくねった石と砂の悪路の長い下り坂は、いつか豊か場所に通じているのだろうかと悲観的になりかける。

しかし、マルズィエが走ってジャファリを追いかける様を見ると、いつかきっとという希望を見出すといった、未来に向けた決意みないなものも感じられる、そんな作品だ。

きっと、日本でも似たような閉塞感は昔は同じようにあって、今は随分良くなったとは言え、女性を押さえつけようとする社会システムは残っていて、まだまだ、これからなのではないかと考えさせらた。
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