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ライトハウスのwisteriaのレビュー・感想・評価

ライトハウス(2019年製作の映画)
4.1
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ということで初鑑賞しました。原題"The Lighthouse"、A24製作、『ウィッチ』のロバート・エガース監督の2作品目。

19世紀末、絶海の孤島にある灯台を舞台に、新人灯台守イーフレイム・ウィンズロー(ロバート・パティンソン)とベテラン灯台守トーマス・ウェイク(ウィレム・デフォー)の2人が、極限状態で織りなす奇怪な人間模様を展開する寓話的な作品。

人魚も出てくる寓話的な設定ながらもしっかり実在感を与える主演2人のキャラクター造形が素晴らしい。ウィレム・デフォー、2人しかいないのになんら配慮なく臭そうな放屁をするといった無神経さにも関わらず時に妙に文学的な言い回しを駆使して熱弁したりもする。また徐々に亢進していく狂気をバットマンのロバート・パティンソンが熱演。奇しくも今日5月13日が36歳のお誕生日🎂とのことです🎉(もうほとんど時間ないけど💦)

画面のアスペクト比に独特のこだわりがあって1.19:1とほぼ正方形の白黒画面となっている。それを活かしたあまり観たことのない構図とか上下の縦方向へのカメラの移動とか室内での俯瞰視点などが深く印象に残る。もちろんそれはある意味本作の主役的な存在である「灯台」の形状を外から内から面白く捕まえるためだろうし、作品全般に繰り返し意識されているフロイト的な(ぶっちゃけ性的な)シンボル解釈を促してもいる。

作中でも言及されているプロメテウス神話とか『白鯨』のエイハブ船長への言及などからいろいろ深読みしようと思えばいくらでもできそうな仕掛けがあちこちにほどこされているけれど、難しいことは置いといて、ミニマルな閉鎖世界での両俳優のド迫力演技を味わうだけでも十分に見応えある佳品と思います。

ロバート・エガース監督、日本公開が待たれる次作が"The Northman"という古代アイスランド🇮🇸を舞台にした作品で、どうやらハムレットを下敷きにしたやはり寓話性の高いもののようです。デビュー作の"The Witch"も宗教寓話だったのでそういう作風なんですかねー
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