天津甘栗

親愛なるバスケットボールの天津甘栗のレビュー・感想・評価

親愛なるバスケットボール(2018年製作の映画)
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1週間経った。今でも信じられない。

当然知り合いではない。会ったこともない。こちらはただの日本のサラリーマン。テレビを通して見ていたスポーツ選手。
だけど、貴方と貴方の娘の訃報を知った瞬間、思わず声が出て凍り付いた。
とても痛く悲しい月曜の朝だった。

貴方を知ったのは20年程前。貴方がまだ二十歳くらいの頃。それから引退までの15年余り、ずっと貴方の姿を見てきた。
私は貴方のファンではない。むしろ私の贔屓チームや贔屓選手をことごとく打破る貴方が腹立たしくてしょうがなかった。あと一歩で勝利という場面で貴方が立ちはだかり、憎たらしいショットとドヤ顔を決めた。

空気を読まずいつでもガチでマジ。敵だろうが味方だろうが見返してやろう、徹底的に潰してやろう、自分の力を誇示してやろうという、野心剥き出しの貴方のスタンスは傲慢にすら感じ、嫌いだった。
それでも私にとって、NBAの顔といえば貴方だった。いつも貴方が強く居たから反対のチームを熱烈に応援できた。

貴方を失った今、自分にとって貴方がどれだけ大きな存在であったかを知った。
どこまでも純粋に、ストイックに、バスケットを楽しませてくれて本当にありがとうございました。
そしてこれからは娘を持つ父として、マンバメンタリティ、見習います。
天津甘栗

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