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ヘレディタリー/継承のvenom9のレビュー・感想・評価

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)
3.8
天才現る。
アリ・アスター、長編デビュー作でいきなりこのクオリティ、恐るべし。
本作は人形作家のアニー(演:トニ・コレット)、娘のチャーリー(演:ミリー・シャピロ)の二人のパフォーマンスで勝負ありですね。アニーの夫スティーブ役のガブリエル・バーン、息子のピーター役のアレックス・ウルフも素晴らしかったです。ただ、母娘の異形感というか、存在感が際立っていました。ガブリエル・バーンはノワール作品のイメージもありますが、結構ホラー系に出ている印象です。実際はそこまででもないですが。
本作は邪なるもののわかりやすい描写や超常現象、露骨なジャンプスケアを避け、なんとなく気味の悪い出来事や、悲惨な出来事を重ねて、観るものを冷え上がらせます。悪魔など邪悪な存在の諸行と見るのが順当なのかもしれないですが、考えようによっては悪魔崇拝のカルトの連中の集団ヒステリー、薬物中毒による幻覚幻聴を見せられていると解釈できなくもないです。
ところで、ミリー・シャピロは撮影のために不気味に見えるよう特殊メイクもしていたのですが、SNSなどで「醜い」と多数中傷されたようで、とんだ災難ですね。
彼女、「ストレンジャー・シングス」のダスティン役のゲイテン・マタラッツォと同じ、鎖骨・頭蓋異形成症という先天性の病を患っているそうです。
骨に異常が見られるようですが、普段の彼女はいたってキュートな若者です。
(2021年11月 PrimeVideoで鑑賞)
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