まめだいふく

瞳が忘れない/ブリンクのまめだいふくのレビュー・感想・評価

瞳が忘れない/ブリンク(1994年製作の映画)
3.0
 幼いころの事故により視力を失った女性バイオリニスト、エマ。彼女は角膜手術により再び光を取り戻す。しかし手術の後遺症 ‶レトロアクティブ・ヴィジョン(逆作用視覚)” に悩まされることになってしまう。
 ある日、エマの住んでいるアパートで殺人事件が起き、エマは偶然、犯行現場から立ち去る犯人を目撃。事件を追う刑事ジョンは、唯一の目撃者である彼女の協力を得て犯人を突き止めようとするのだが、やがて第2、第3の被害者が出てしまう……。

 個人的に大好きな女優の一人、マデリーン・ストウ主演のサスペンス。
 聞きなれない症状のレトロアクティブ・ヴィジョンですが、実際にこのような症状は存在しません。これは簡単に言うと、視覚に時間差が生じるという状態。例えば、昨日見た景色が今日見えるとか、以前出会った人物がいきなり目の前に現れたように見えるとか。
 で、せっかくこんな面白そうな設定にしておいて、それがほとんど活かされていない。その副作用に主人公がただ混乱し、苦しむだけ。犯人探しに一役買うわけではない。
 また、エマは視力を失った代わりに嗅覚が鋭くなったという、もう一つの特徴もあるのだが、これもただ石鹸の匂いをかぎ分ける程度で、これまたあまり意味がない。
 更に言うならば、エマが視力を失うきっかけとなった事故が、かなり悲惨というか酷い事故なのだが、別に伏線でも何でもない。
 ジョン刑事はジョン刑事で、エマにぞっこんとなり、唯一の目撃者だからという名目で頻繁に彼女と接触しようとする。しまいにはエマと彼女の担当眼科医の中の良さに嫉妬し、ストーカー化する始末。ここら辺のエピソードは蛇足だったな。マデリーン・ストウは脱ぐけどさ。

 被害者たちの共通点、エマに角膜を提供したドナーや犯人の正体などの設定は良く練られていて面白かっただけに、残念な部分がかえって目立ってしまった感じがした。
 でもまあ、マデリーン・ストウは美しかった。
 
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