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ナミヤ雑貨店の奇蹟-再生-のodyssのレビュー・感想・評価

3.0
【平均的なタイムスリップもの】

かつて地方の小都市に、ナミヤ雑貨店という店があり、そこのオヤジ(西田敏行)は無料で悩み事相談もやっていた。店のシャッターに付いている郵便受け用の間隙に悩み事を書いた紙を入れておくと、翌日、牛乳受けの木箱に返答が入っているという仕組みだった。

そのオヤジも亡くなって三十数年たって、2010年代。若者三人(山田涼介、村上虹郎、寛一郎)がちょっとした乱暴狼藉を働いて、今は誰も住んでいないナミヤ雑貨店の建物に逃げ込んでくる。しかし、とうにオヤジは死んでいるのに、シャッターの間隙から悩み事相談の手紙が入ってきたのに三人はびっくり。読んでみると、なんと三十数年前の日付が入っていた。三人は時空を超えた悩み事相談に返答しようとするが・・・

一種のタイムスリップもの。ナミヤ雑貨店がタイムスリップの根城になり、それを軸に徐々に人物同士の関係が明らかになってくるという構成。筋書きはそれなりだが、最近タイムスリップものが多いせいか、すごく斬新とか感動的とは感じなかった。また、雑貨屋に逃げ込む三人の若者は共通した育ちの主だが、その幼児時代と2010年代との関係がほとんど描かれないのも物足りない。

あと、路面電車が出てくるんだけど、路面電車ってのは最盛期でも県庁所在都市クラスの規模の都市でないと設置されていなかった、ってことが作り手に分かっていないみたい。例えば、東北六県なら、路面電車が設けられていた都市は、仙台、秋田、福島の三都市だけだった。
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