このレビューはネタバレを含みます
「オレか…その女か…オメエが撃て!!」
モテない男がフィリピンで嫁を見つけ、差別と偏見まみれの田舎に連れて帰る話。
THE・青年誌って感じの内容で、最初はアイリーンを性的対象としてしか見てない岩男に、徐々にアイリーンへの愛情が生まれていくのがいい。中盤でヤクザを殺してからはからは話がガラッと変わり、かなりダークな方向へ。撃った瞬間は本当に予想外だったのでビックリした。
その他にも頑なに外国人妻を認めない姑や、パチンコ屋の同僚シングルマザー、アイリーンを買春へと導こうとする伊勢谷友介などとの狂気的なやりとりが繰り広げられる。田舎って怖ええと思うし、母の演技があまりに迫真すぎた。死んだ岩男を見た時の反応はもはやホラー。セックス中にゲロ吐いたりお見合い相手にオナニー強要する安田顕もヤバいし、アイリーン役の女優さんも感情がこっちまで伝わってくる素晴らしい演技だった。
どう転ぶか全く読めなくて終始ハラハラしてたけど、最後は家族愛という思わぬ形で決着して面白かった。衝撃作であり傑作。
以下、セリフメモ。
「本気だと…困るんだわ…」
「わかりますか宍戸さん。五分五分でいきましょ。あなたはこの結婚にもアイリーンにも、引け目を感じる必要はありませんよ」
「岩男さんが…前からこんな強引だったら…もっと早くこうなってたと思う」
「ワタシ…イミナイ…イミドコ?」
「…オ●●コだ」
「どうして優しくしてくれないの…幸せにするって言ったでしょ!少しでいいから幸せにしてよ!お願いだから…」
「岩男と連絡ついたか?…虫ケラぁ、オメエよく落ち着いてられんなぁ!?」
≪クソババア、ワタシ、フィリピンカエル≫
「ババア…シヌ…ワタシ…カナシイ…ワタシ岩男サントノ…子供イル…」
「アイリーン。愛してっど」