kazu1961

バイスのkazu1961のレビュー・感想・評価

バイス(2018年製作の映画)
3.9
▪️Title :「バイス」
Original Title :「Vice」
▪️Release Date:2019/04/05
▪️Production Country:アメリカ
🏆Main Awards : 第91回アカデミー賞メイクアップ&ヘアスタイリング賞
▪️Appreciation Record :2019-262
▪️My Review
昨日は日本の「新聞記者」を観て、本日は「バイス」を鑑賞しました。共に、政治、民主主義、国を守る、そしてそれらを運営する内幕を見せられ、何が正しいのか?を考えさせられ、そして怖さを感じてしまいました。
本作「バイス」は、実話です。ディック・チェイニーはジョージ・W・ブッシュの下で副大統領を務め、心臓の持病を抱えながらも、「史上最強の副大統領」「影の大統領」と評されるほどの影響力を発揮しました。チェイニーの影響は今日の国際秩序にも及んでいます。その一方で、チェイニーは「史上最悪の副大統領」と指弾されることもあり、毀誉褒貶が著しい人物であると言えます。本作はそんなチェイニーの実像を描き出す一つの試みでもあるんですね。
もう日本人にとっては忘れがちな「9.11」そしてそれにともなう「イラク戦争」。何が事実なのか?断片的なニュースが本作「バイス」でつながるのと同時に、「そもそもどうしてイラクだったのか?」などの根本的な疑問も解消してくれます。アダム・マッケイ監督はそんな物事の核心を掴んでいるんですね。
アダム・マッケイ監督は「マネーショート 華麗なる大逆転」の前までは主に「コメディ映画」を作っていましま。そのため「バイス」でも、シリアスに描きながらも、ところどころにユーモアを入れてきています。
そして、演技陣の素晴らしさ。クリスチャン・ベールの変身ぶりには目を釘付けにされました。本作で役作りのために体重を約20㎏も増量して臨んだクリスチャン・ベールが「ディック・チェイニー副大統領」を演じ、「ゴールデングローブ賞」では「ボヘミアン・ラプソディ」のラミ・マレックと共に主演男優賞を受賞しました!
クリスチャン・ベールの「ディック・チェイニー副大統領」は顔も声も話し方もかなり似ていますが、アカデミー賞で助演男優賞にノミネートされたサム・ロックウェルの「ジョージ・W・ブッシュ大統領」もそっくりでしたし、助演女優賞にノミネートされたエイミー・アダムスも見事に「チェイニーの妻」を演じていました。
事実は小説よりも奇なり。映画は事実をも後世に語り継ぐべき真実を伝える重要な手段なんですね。

▪️Overview
「マネー・ショート 華麗なる大逆転」のスタッフ&キャストが再結集し、ジョージ・W・ブッシュ政権でアメリカ史上最も権力を持った副大統領と言われ、9・11後のアメリカをイラク戦争へと導いたとされるディック・チェイニーを描いた社会派エンタテインメントドラマ。これまでも数々の作品で肉体改造を行ってきたクリスチャン・ベールが、今作でも体重を20キロ増力し、髪を剃り、眉毛を脱色するなどしてチェイニーを熱演した。妻リン役に「メッセージ」「アメリカン・ハッスル」のエイミー・アダムス、ラムズフェルド役に「フォックスキャッチャー」「マネー・ショート 華麗なる大逆転」のスティーブ・カレル、ブッシュ役に「スリー・ビルボード」のサム・ロックウェルとアカデミー賞常連の豪華キャストが共演。第91回アカデミー賞で作品賞ほか8部門にノミネートされ、メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞した。
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