佐藤克巳

マリヤのお雪の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

マリヤのお雪(1935年製作の映画)
4.5
西南戦争は、アメリカ南北戦争に相当する国内を二分する内戦の歴史上最後の戦い。その人吉での西郷軍と官軍激戦の渦中、呑み屋の酌婦お雪山田五十鈴とおきん原駒子が逃走の算段を練り乗合馬車に乗り込むと、区長代理や商家の一向、僧侶姿の間者が同乗したが、闇夜に馬車が横転、廃墟の村で一休み。おきんが握飯を食べ出すと羨望の的となるが、お雪は自分の分前を一向に差し出した。そこへ官軍が村を占拠、旗本上りの隊長夏川大二郎が娘の差出を要求、おきんが身代わりに隊長を挑発するが動じない。お雪が出向くと意気投合するが進撃命令が下り官軍が村を進発。隊長は、命令が10分遅ければ運命は違ったと言い残し去った。一向も渡し舟で去り、二人は呑み屋の準備に掛かると官軍の敗走が伝わり、隊長が逃げ込んだ。おきんは捕虜で引渡すと銃口を向けると、お雪は二度と逢えないが惚れた男だから逃すと説得する。おきんは銃口を外に向けると、お雪は川まで見送った。
佐藤克巳

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