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旗本退屈男のmitakosamaのレビュー・感想・評価

旗本退屈男(1958年製作の映画)
2.9
歌右衛門による旗本退屈男は既に複数作作られているが、今作は歌右衛門の出演300記念とのこと。お馴染みの退屈男の映画にサブタイトルは付けず。東映オールスター時代劇として仕上げてる。

先日“謎の謎の南蛮太鼓”を見たばかりだが、正直今作はちょっと散漫とした内容だった気がするなぁ。やっぱり旗本退屈男というタイトルがそもそも群雄劇に向いていないのに、オールスターキャストにしたから各自の出番が薄くなったという印象だ。

仙台・伊達藩のお家騒動に主水之介が切り込む。
伊達藩藩主に御大・知恵蔵。名君だったが急に堕落し女狂いを始めるという。明らかに忠臣蔵の大石内蔵助を狙ってるキャラクターだと判る。
この伊達藩の乗っ取りを企む悪役が、いつも通り進藤英太郎に山形勲だ。お約束だなー。

主水之介の子分に、横山エンタツらお間抜け勢に混じり錦之介。
伊達藩に仕える伊賀忍者の頭に大友柳太郎。甲賀忍者の頭に千代の介。
伊達藩の忠臣に橋蔵。更には里見浩太朗や北大路欣也。
この上、月形龍之介に大河内傳次郎という布陣だ。

でも各々にちょっとずつ見せ場があるのに、逆に退屈男のお決まりのセリフが無い。「天下御免の向こう傷!」とか、冒頭でちょっと紹介しただけ。本編の気持ちいい所でキメてくれないのが歯がゆい。

結局知恵蔵の女狂いもお江戸の不正に抗い、民衆や家臣を試した結果だと判る。う〜ん。でもこの設定いるかなぁ???あえて愚行を装う意味がまるで無いと思うんだけど。

無理に豪華キャストにしたのがアダになったと思われる。
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