kunico

15時17分、パリ行きのkunicoのレビュー・感想・評価

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)
4.0
実在するヒーロー達にスポットライトを当て続けるイーストウッド。
2015年に起きた事件を2018年に映画化してしまうというスピード感、実際のヒーロー3人組をそのまま役者として起用するという真実味、生っぽさ。
驚くべきはこの3人の演技がめちゃくちゃに自然だし、ドキュメンタリーぽくもあるのでリアリティーがすごい。
特に列車の中での「見てこのちっこいコーラw」とかローマの石階段降りながらの「そんな鞄(でかいスーツケース)で来てんなよ」とか、本当に親友同士じゃないと交わされない会話ですごいな〜と思った。

思ったよりも欧州周遊の様子が多く描かれるので事件の描写メインじゃないんだと驚いたが、この積み重ねが後々メリハリとして超効いてくる。
本当に運命に導かれたような人生で純粋に感動した。
こんなことってあるんだ...と絶句したし、全てに意味がある...と勇気とか希望みたいなものも感じられて武者震いした。
ビールを飲んだりクラブではしゃいだり等身大の20代の青春が長い時間で描かれるけど、それでいて事が起きるのは一瞬で、よくよく考えれば人生が覆るようなことは突如訪れるしそれは予測不可能なんだとも思う。
スペンサーとアレク、アンソニー、誰か1人でも欠けていたらきっとこうはならなかったんだろうなとも感じるし、アンソニーに見習う部分はとっても多い。
後天的に身に付けた能力が無くとも、その場の状況を見極めて自分に何ができるのか判断を仰げる気力精神力が只者じゃ無い。
幼い頃から関係性を築いてきた3人だからこそ、緊急事態においても阿吽の呼吸でそれぞれの役割を全うしていく完璧な連携プレーで、日本対メキシコ9回裏かな?とか思った。
kunico

kunico