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100挺のライフルのcatmanのレビュー・感想・評価

100挺のライフル(1968年製作の映画)
5.0
RW追悼その3
これもまた娯楽性に富んだマカロニテイスト強めの西部劇。黒人の警官(ブラウン)と先住民の血を引く銀行強盗(レイノルズ)が、現地の先住民を弾圧するメキシコ軍と戦う話。ラクエルの役どころは父親をメキシコ軍に殺されたことから銃を手に取り勇ましく立ち上がる先住民(には全然見えない)。期待に違わずワイルド&ビューティな魅力が炸裂しとります。

特筆すべき点はジム・ブラウンがレイノルズを差し置いてはっきりとヒーローのポジションとして描かれている事。これはブラックスプロイテーション・ウエスタンの先駆けと言って良いと思う。ラクエルとのHOTなラブシーンまであって、公開された1968年という時代背景を考えると差別主義者から相当な反発があったはず。作り手のラジカルで攻めた姿勢に天晴れと言いたい。

それぞれのキャラクターにもう少し深みが欲しいって気もするけど、役者が身体を張っているアクションは迫力があるし、大勢のエキストラを動員しているクライマックスの列車シーンは見応え十分。脱線した機関車が家屋に突っ込むペクタクルなシーンに感動する。ラクエルのwet and wildなシャワーシーンも、単なるサービスじゃなくちゃんとストーリー上で機能しているのが良い。撮影地スペインのロケーションも魅力的。ジェリー・ゴールドスミスの音楽も相変わらず素晴らしくって、壮大なオーケストレーションにマリアッチサウンドを絶妙にブレンドしたメインタイトルは最高にアガる。
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