緑雨

交渉人の緑雨のレビュー・感想・評価

交渉人(1998年製作の映画)
3.5
全体の作劇はステレオタイプで、FBIと市警の主導権争いやデヴィッド・モースの役柄など、既視感ありまくりなのだが、人質を取って籠城戦に入る件りの劇的な展開は見事。交渉のプロという要素が入ることでユニークさを獲得しているのだが、主人公の戦略的意図がわかるようでわかりづらい、というか描き切れていないがために、エンターテイメントとして水準級を超えるには至らなかったかなという印象。

サミュエル・L・ジャクソンとケヴィン・スペイシーのそれぞれ個性の異なる話芸は堪能できる。「Noと絶対に言うな」だとか、目の動きだとか、『シェーン』だとか、なかなか興味深いネタも散りばめられるが、そこまで会心の伏線回収に繋がらないのだよな。願わくば、2人の口八丁の応酬をもっと観たかった気がする。

クライマックスの真相を暴くブラフは鮮やかだった。誰が黒幕なのかはわりと読めてしまうのだが、まあそこは要点ではないので。
緑雨

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