ひろあき

できごとのひろあきのレビュー・感想・評価

できごと(1967年製作の映画)
3.8
アンナは事故のショックにより命こそ助かったがもぬけの殻となり、理性がないぶんだけ肉体が強調され時間停止モノのようなサディステックなエロスを喚起する。溺れるものは藁をも掴むので、「お前のせいでウィリアムは死んだ」という言葉はアンナを水底に沈め、スティーヴンを掴ませる。序盤にもぬけの殻のアンナを提示することで、事故以前からも実はそうだったという視点を誘導する。アンナを虚にし肉塊にするものは、彼女を取り巻く男たちと、何を映し何を映さないかを決める(つまり彼女を編集する)ショットである。
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