たけちゃん

ブレードランナー ブラックアウト 2022のたけちゃんのレビュー・感想・評価

4.0
魂も無いくせに……


渡辺信一郎監督 2017年製作
声優 松田健一郎、青葉市子


勝手にお知らせシリーズ「今日は何の日」
本日は、ちょうど1年前「北海道胆振東部地震」が起こった日です!
僕が住む旭川は、北海道の真ん中に位置するため、地震が少なく、ここで揺れる時は、他地区に大きな被害が出ていると確信するほどです。だから、あの東日本大震災の時は、とんでもないことが起きていると直感的に分かりました。

なので、自分が地震の影響を直接受けるとは考えてもいなかったんです。その意味では、備えが全く無かった。
しかし、昨年は朝方、地震が起きて飛び起き、テレビを付けるも、数分後に停電。そのまま、わが家においても、一日半あまりブラックアウトを体験しました。
全ての電気が使えなくなると、いったいどういうことになるのか、ほんと、身を持って体験しましたので、被災した方の気持ちが今まで以上によく分かります。
忘れてはいけない体験です。





さて、映画です。
もちろんブラックアウトに絡めてチョイスしました。
ドゥニヴィルヌーブが、「ブレードランナー 2049」の公開に際し、依頼して作成された三本の短編のうちの1本。
1作目はアニメーションです。

「ブレードランナー」から30年後の世界が描かれた「ブレードランナー 2049」。
その30年の間に何が起こったのか?
それが短編で描かれました。
3年後の「ブラックアウト 2022」
そこから14年後の「2036:ネクサス・ドーン」
さらに12年後の「2048:ノーウェア・トゥ・ラン」
そして、描かれたのが「ブレードランナー 2049」です。
だから、「ブレードランナー 2049」をしっかりと理解する為にも、事前に必ず観なければならない短編でした。
僕も映画上映前の待ち時間に観ましたよ。

今回はBDに特典として収録されているものを観ましたので、スマホで観たのとは違い、描かれた世界をよりリアルに受け取ることが出来ました。



あのデッカードとロイ・バッティの戦いが起こった2019年。そして、全てのネクサス6型の寿命が尽きた世界。

そして、あれから3年後の2022年。
4年という限られた寿命しか与えられていなかったネクサス6型に対し、より、寿命の長いモデルネクサス8型が作られるようになった。


なぜ、2049年の暮らしはあれほど荒廃してしまったのか?
情報が失われた理由は?
その大きな原因の「ブラックアウト事件」について描かれた作品です。これを観ないでは、背景知識が不足します。
こういう情報補完の方法があるのかと思いましたよ。
でも、
映画は、映画本編でこそ語るべき!
……と思う方には不評でしょうね。
僕はもちろん肯定派ですが( ˘ ˘ )ウンウン



監督は「アニマトリックス」の「キッズ・ストーリー」や「カウボーイビバップ」などを担当した渡辺信一郎。
さすがの完成度。
15分とは思えない面白さでした。


主人公のイギー・シグナスは、ロイ・バッティに似たキャラでしたね。
声を当てる松田健一郎さんは「攻殻機動隊 新劇場版」でバトーの声を担当した方。

トリクシーは、まんまプリス。
オマージュシーンもありました!
声を当てる青葉市子さんは、なんとシンガーソングライター。特に声の仕事をされているわけではありませんでした。ちょっと不思議な雰囲気でしたもんね。

ガフが出るのは嬉しいなぁ。
オリジナルでガフの声を担当したのが、オリジナル版のガフを演じたエドワード・ジェームス・オルモスなのは注目ですが、吹き替えはザ・シネマ版の「ブレードランナー」でもガフの声を担当した香月大人さん。文句なし( ˘ ˘ )ウンウン



最後に音ネタ💩ウンチクンです( •̀ω•́ )و✧

音楽を担当したのは、フライング・ロータスです。
フライング・ロータスはアメリカの音楽プロデューサーですが、あのジョン・コルトレーンを大叔父に持つ、すごい血筋。
監督の渡辺信一郎は、製作中、フライング・ロータスの曲を流しながら作業を進めたとか。
たしかに世界観にピッタリでした。
今年、発表された新作の「Flamagra」もとても良かったです。


そして、エンドロールの曲は、本編「ブレードランナー 2049」でも主題歌として使われた「Almost Human」です。
歌うのはローレン・デイグル。
2015年にデビューアルバム「How Can It Be」で綺羅星の如く登場したアメリカのシンガーソングライターです。日本には馴染みないですが、ジャンルとしてはクリスチャン・ミュージックに分類されるようで、この9月9日で28歳になる期待の新星。歌声があのアデルにも比肩される本格派です。

ミリオンヒットとなったファーストアルバムに続いて、大抜擢と言っても良いのが、この「ブレードランナー 2049」の主題歌「Almost Human」でしたが、文句無しの素晴らしさでした。

昨年3枚目のアルバムが発表されましたが、アデルが好きな人は、ぜひ、聴いて欲しい注目のシンガー。
「ブレードランナー」と合わせ、要チェックです!



最後に。
今回、これを選んだのは「ブラックアウト」が理由だけではありません。
実は、「ブレードランナー」の舞台は2019年。
それを記念して、「ブレードランナー ファイナル・カット」が、なんとIMAXで公開されます。
僕もこれは観に行かねば!と遠征を計画したので、それに合わせての鑑賞でした。
そちらのレビューも待たれよ( •̀ω•́ )و✧