KUBO

アケラット-ロヒンギャの祈りのKUBOのレビュー・感想・評価

3.0
東京国際映画祭10本目は、コンペティション部門の「アケラットーロヒンギャの祈り」。

エドモンド・ヨウ監督は、私が審査員を務めた3年前のTIFFで「破裂するドリアンの河の記憶」で長編デビューした監督。今回は社会問題にもなっている「ロヒンギャ」の問題をテーマに、より社会派の作品を出品してきた。

マレーシアの人たちは「台湾」など他の国に出て行きたい人が多いらしい。その反面、周辺の国々からは「マレーシア」に来たい人が多く入ってくる。そしてミャンマーでの弾圧を逃れてマレーシアに入ってくる子どもや女性が人身売買の犠牲になっていると言うのだ。

作品では、「台湾」に行きたい女の子フイリンが、お金を稼ぐために仕事を引き受け、人身売買グループの犯罪に巻き込まれていく様を描いている。商業映画なら、いくらでもサスペンスフルに作れる素材だが、エドモンド・ヨウ監督は出来るだけ台詞を廃したドキュメンタリータッチで描いている。

どんなに抗ってみても、日常のように流入してくる難民の姿に、彼らの行く末を思いいたたまれない気持ちになる。

今語らなければならない問題をタイムリーに取り上げた問題作です。
KUBO

KUBO