荒野の狼

サリー・ポッターのパーティーの荒野の狼のレビュー・感想・評価

1.0
先ず、モノクロで三谷作品を見せられている様だ。役者は揃っているのに映画になっていないのは監督のせいであろう。年寄りはカラーで克明にしっかり見せなさい。ジジババの存在価値というのはジジババだというその事にある。
二つ目。登場人物七人中、見られる演技はブルーノ・ガンツだけ。その他がもう少し抑えた自然な演技に徹していれば、作品の質はもっと良いものになっていただろう。就中、ティモシー・スポールのキャスティングと演技は最悪である、ここまで老耄(おいぼれ)にすることはない。キュリアンマーフィーだってイマイチこの場にそぐわない。ここまで幼稚っぽくする事はない。
三つ目。折角のワンシチュエーションの舞台劇設定なのに、トイレでわざわざ音まで入れて吐くシーンは作品を汚す。芝居ではこういうのを糞リアリズムと言う。
四つ目、カメラワーク。アングルもフレーミングも動きもメチャクチャ。
五つ目。劇伴としても機能すべきレコード選曲が味付けになっていない、こんな所にイブライム・フレールなんか使うなよ。
プロットだけを俳優さんたちに伝えて、各自に思うように演じさせたらきっといい作品になっていただろう、監督は要らん。
荒野の狼

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