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はぐれ道のskm818のレビュー・感想・評価

はぐれ道(2015年製作の映画)
3.6
マレーシア北部に暮らすインド系住民の生活を描いたもの。芸術家肌で成績のよくない小学生男子とその父親、そしてギャングの仲間になった叔父たちのことが並行して描かれる。少年の家は裕福ではないが、多分このコミュニティでは平均レベルの暮らしなのだろう。
父親は息子に厳しく、何かというと体罰。学校でも何かと体罰。今どきこういうの珍しいが、とにかく教育熱心なのはわかる。昔叔父がされたという、木に縛られて蟻塚投げられる体罰恐ろしすぎ笑。
インド系はマレーシアではマイノリティで差別され搾取されてる側らしく、下っ端はインド系なのにギャングのボスは中国系だ。
最初は暴力担当だった叔父も上手いこと乗せられて麻薬に手を出すようになってしまい、叔父の1人は粗悪なドラッグ吸引で死んでしまう。混ぜ物をした粗悪なドラッグってよく見かける言い方だが、まさかガラスの粉を混ぜているとは。確実に死ぬだろ。中国系の男は面倒見は悪くないのだが、一方でこういうのを平然と売って、インド系の住人を殺していってるわけだよな。
どうやっても力でのし上がるしかないインド系の男の子たちの悲哀。暴力を覚えて彼らは大人になっていくんだな。叔父は弟の死で目が覚めギャングから抜けるが、主人公の少年はこの先どうなってしまうのだろう。
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