Mrピンク

スリー・ビルボードのMrピンクのレビュー・感想・評価

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
4.0
ボタンの掛け違いがひと癖ある展開に。

見捨てられた白人と言われる有色人種よりも相手にされない白人が多くいると言われているアメリカ中部の田舎者街。こういったある種の閉鎖的な空間が持つ場のエネルギーみたいなもの強そうよね。

ディクソンなんか典型的な場のエネルギーにやられてる人みたいなイメージ。中身は子ども。子どもだからこそ少しのボタンの掛け違いで全く別の方向に進む。

怒りが連鎖する物語に怒りを鎮める方法は2つあるのかな。ひとつはラストシーンの車中で描かれてるような時間的解決。長旅の中殺害感情を維持するのは相当難しいんじゃないかな。途中で引き返すふたりがみえてきそうです。もうひとつは純粋無垢であまりにも世間知らずな元夫のガールフレンド。純粋すぎて大人が手を差し伸べないと生きていけない赤子のようで、一瞬にして怒りが沈んでいったよね。

撮影としてはディクソンが広告屋に殴り込みに行くシーン最高です。ワンカットで臨場感全開よね。
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