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バニシングのGreenTのレビュー・感想・評価

バニシング(2017年製作の映画)
2.0
スコットランドの西海岸にある漁村では、村の男たちが6週間交代で灯台守の仕事を請け負っていた。灯台はスコットランド沖フラナン諸島アイリーン・モア島にある。

ジェームズ(ジェラルド・バトラー)は美しい奥さんと可愛い子供が2人の中年男性、トマス(ピーター・マラン)は初老男性で奥さんを亡くしたばかり、ドナルド(コナー・スウィンデルズ)はまだ若くて、灯台守の仕事は初めて。ベテラン2人に色々教えてもらうのだが、灯台のあの強い光はQuicksiliverで出しているらしく、「気を付けろ!」とか教えていた。

Quicksilverってなんだ?って調べたら水銀のことなのね。なんかこれは危ないからとかなんとか言ってた割には後で全く伏線として回収されなかったけど、私も半分寝落ちしてたから見逃していただけかも。それとも"quicksilver" に「移り気」の意味があって、3人の男たちが変わっていくことを示しているのか。

3人は崖の下に壊れたボートと倒れた男性を見つける。一番体重の軽いドナルドがロープを巻き付けて崖を降り、男性の死亡を確認。近くにあった木の箱をロープで回収しようとしていると、死亡していると思われていた男性がドナルドを襲い、身の危険を感じたドナルドはこの男を殺してしまう。

回収した木箱の中には、男の身の回り品に紛れて金の延べ棒が何本も入っている。ジェームスとドナルドは素直に喜ぶが、トマスは絶対に誰かがこのお宝を追いかけてくると警戒する。案の定、ノルウェーだかアイスランドだかの船に乗った人がやってくる。

この、北欧系の人たち?この人達ってすごい見た目がユニークでいいよね。

んで結局、トマスのカンが当たって、美味しい話には必ず怖い人たちがくっついてくるってことで、しかもこの金の延べ棒を取り合う過程で殺し合いになったりする。

いつも思うのですが、こういう「はした金」で人生狂わすってのもなあ。すごい金額かもしれないけど、それで一生食っていけるわけじゃない。なのに、盗んだり殺人したりして逃亡生活しなくちゃならないならなんの意味もない。

この映画は実話に基づいていて、本当に3人の灯台守が忽然と姿を消した事件があったらしい。ジェームス、トマス、ドナルドなんてなんのひねりもない名前だな!って思ったら、本当にこの名前だったらしい(笑)。

その事件は謎のままなので、こういう解釈で作った映画ってことらしいのだが、面白くなかった。サイコロジカル・スリラーとか言って、不穏な雰囲気が漂っていたんだけど、眠くなるやつだった。

謎の事件だからいかようにも解釈できるんだけど、犯罪がらみってのは一番「サイコロジカル」じゃないなあ、なーんだ!ってガッカリした。だって、住居であんだけ格闘していたら、血の跡があったり物が壊れたり、暴力の跡があるでしょ?なんかあったってわかるじゃん。

結局は男たちは殺人をした罪悪感に耐えられず・・・みたいな感じなんだけど、あんまり面白いストーリー・テリングじゃなかった。

この映画の予告が、崖の下で男が死んでいるのを確認する場面で、ここが「面白そう」って思わせたのと、ジェラルド・バトラーの映画って下らなくても面白いからな~って思って観たんだけど・・・。ネフリにこういう「面白いかもな~・・・」って映画たくさん残っているんだけど、だいたいそういう後回しにしている映画ってやっぱり面白くない。
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