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イナゴの日
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『イナゴの日』に投稿された感想・評価

タケオ

タケオの感想・評価

4.8
-ハリウッドの暗黒を暴き出す地獄曼荼羅『イナゴの日』(75年)-

 1932年9月16日、ペグ・エントウィスルは24歳という若さでハリウッド・サインの「H」の文字の上から投身自殺を遂げた。彼女はいわゆるスターレット、ブロードウェイからハリウッドへやってきたものの、ほとんど仕事にありつくことができず、遂に現実に絶望した女優の卵だった。この一件によってペグ・エントウィスルは「ハリウッド・サイン・ガール」と呼ばれるようになる。そして、彼女と同様に夢破れた若きスターレットたちは、その後を追うように続々とハリウッド・サインから身投げするようになった。
 夢の都ハリウッドで真に「夢」を掴むことができる人間はほんの一握りにすぎず、多くの場合スターレットたちは、ペグ・エントウィスルのように現実に押し潰されることとなる。本作『イナゴの日』(75年)は、そんなハリウッドのダークサイドを容赦なく暴き出した地獄曼荼羅だ。「ティンゼルタウン」としてのハリウッドの華やかなイメージは、開始早々真っ黒に塗り潰されてしまう。魑魅魍魎が跋扈する暗黒都市ハリウッド。その片隅でもがき苦しむ3人の男女が、裏切り合い、憎しみ合い、傷つけ合い、やがてハリウッドのダークサイドへと飲み込まれていく様を、本作は生々しく描き出していく。『サンセット大通り』(50年)や『雨に歌えば』(52年)など、ハリウッドの裏幕を描いた映画は数多いが、その中でも『イナゴの日』は突出した残酷性を誇る強烈な1本である。酷薄極まりない現実によって傷つけられた不安定な人々が、己の「弱さ」を覆い隠すために、他者に対して攻撃性をむき出しにする。そんなエンドレスな傷つけ合いの果てに待ち受ける惨劇を圧巻のスケールで描き出した怒涛のクライマックスは、まさに地獄絵図と呼ぶに相応しい壮絶なものである。
 本作の時代背景は1938年、「ニューディール政策」によって回復しつつあったアメリカ経済が再び不況に見舞われつつあった時期だ。くわえて、ヨーロッパではファシズムが台頭、翌年の1939年には第二次世界対戦が開戦。社会不安によって「個人」は「大衆」へと成り下がり、遂には「顔」すらも失っていく。『イナゴの日』は、そんな時代のパラノイアックな空気感をも敏感に汲み取った作品だ。ハリウッドの暗黒のみならず、時代を越えた普遍的な「恐怖」と「不安」を描出することにも成功している。『出エジプト記』でイナゴの大群がエジプトの農作物を喰らい尽くしたように、暴徒と化した「大衆」が都市を蹂躙していく。そんなグロテスクな光景は、今やすっかりお馴染みのものとなってしまった・・・とは、さすがに言い過ぎだろうか。ともあれ、改めて本作の先見性には驚かされるばかりだ。
イペー

イペーの感想・評価

4.4
華やかなりし往年のハリウッド。
散らかった夢の残骸に取り囲まれ、負け犬たちが繰り広げる
『地獄のラ・ラ・ランド』なのであります。

欲望渦巻くショービジネスの世界、その伏魔殿っぷりを描いた作品は数多くありますが、本作はその中でもひときわ異色、あまりにも強烈。

監督はジョン・シュレシンジャー。
『真夜中のカーボーイ』然り、いわゆる"イタい"人間を描くのが抜群に上手い。

カレン・ブラック演じる売れない女優を筆頭に、過去の栄光にしがみつく哀れなボードビリアン、世間知らずで気の弱い資産家、etc、etc。

どこか空虚で、かなり歪な人間たちが迷走する姿を、付かず、離れず、でカメラは捉え続けます。
そこに"ドラマ"が生まれてしまうことを慎重に回避する…かのような距離感。

なっかなか核心に至らない物語にジリジリさせられ、微妙にパースが狂ったスケッチのような場面場面に、さらに不安を掻き立てられ…。

最後の最後に待ち受けるのは、桁違いのアンチカタルシス。
薄暗く蟠っていたエネルギーが一気に噴出。
ド、ドナルド・サザーランドが…ア、アワワ…そりゃあ、もう…

「アポカリプスなう‼︎」

ですよ。

人間の厭な部分がこれでもか〜!なので、オススメはし辛いですが、個人的には文句なしで傑作認定。
下手なホラー映画より、よっぽど怖いっス。

…子供の頃、友人のお弁当にイナゴの佃煮が入っていて、周囲の話題をかっさらってました。
お裾分けで前脚を頂戴し、中々飲み込めなかった、それが私のイナゴの日、でございます。
ハリウッド映画史に残る問題作ということで、ものすごーーーく気になっていたのですが、ついにDVDを購入しちゃいました。でももう重すぎて二度と観ない自信がある!(爆笑)噂通りの超ド級トンデモ映画でした。

舞台は1938年のハリウッド。大学を卒業し、大手映画会社パラマウントの美術部に就職したトッドは、女優を目指してエキストラとして働いているフェイと知り合う。トッドはフェイに惹かれるが、彼女はトッドと本気で付き合うつもりはない。そんなフェイはひょんなことから冴えない年上男性ホーマーと出会うのだが…。

戦前のハリウッドを舞台に、3人の男女を中心に人間のエゴや愚かさを描いた衝撃作。一応”アメリカン・ニューシネマ”の1本として扱われるらしい(ちなみに監督は『真夜中のカーボーイ』のジョン・ジュレンジャー)。
主人公の3人は何らかの大きな問題や葛藤を抱えています。フェイとトッドは映画の都ハリウッドでの成功を求めて必死に働いているがなかなか芽は出ないうえに会社の理不尽な待遇に不満を募らせているし、ホーマーはかつての失恋を引きずりながら生来の不器用さもあってか淡々とした日々を送るのみ。思い描いていた理想には程遠く、自分を押し殺して生きているうちに、彼らの胸の奥底にあるプライドや欲望、他人への攻撃心などが徐々に高まり…。特にカレン・ブラック扮するヒロインのフェイはそれが顕著に表れ、ホーマーに対して辛く当たるようになっていきます。それに対してどうすることもできずさらに悩むホーマー、そしてフェイが自分のものにならずにイライラするトッド。
全編に渡って、この3人の鬱屈した感情だったり、30年代当時のアメリカの閉そく感だったりがひしひしと伝わってきて、観ながら一緒に気分だだ下がり…。”虚構”とも言えるハリウッドのきらびやかで豪華な世界観(ファッションや調度品など)と、3人が直面している”現実”とのコントラストも見事でした。

この閉そく感を演出するためなのか何ともですが、途中で挟まれる闘鶏のシーン(グロ注意)やフェイの父ハリーにまつわるエピソードのあのヒステリックなシーンなど、嫌悪感を煽る不気味な演出が多いのもまたトラウマ。ちなみにハリー役のバージェス・メレディスは本作でオスカーにノミネートされています。
しかし、なんといってもラスト20分間。個人的に一生忘れられないレベルの、人間の恐ろしさが詰まった衝撃のラスト。タイトルの”イナゴ”とはこのことだったのか…。観終わった今も目に焼き付いて離れないショッキングな内容でした。
直接的にも間接的にも、不気味でグロい映画が苦手な方にはお勧めしないませんが、アメリカン・ニューシネマの秀作の1本としてぜひこの驚異の映像体験、必見です!!

『イナゴの日』に似ている作品

イヴの総て

上映日:

1951年09月21日

製作国:

上映時間:

138分

ジャンル:

3.9

あらすじ

新進の女優、イヴ・ハリントンは、アメリカ演劇界最高の名誉であるセイラ・シドンス賞に輝いた。大女優に憧れの目を向けていた少女が、満場の拍手を身に浴びるにまでなる。その過程で、イヴは恩人である…

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