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ソフィア・コッポラの椿姫のBenitoのレビュー・感想・評価

ソフィア・コッポラの椿姫(2016年製作の映画)
3.7
【 オペラを愛するコッポラファミリー 】

・ソフィア・コッポラがイタリアの作曲家ヴェルディのオペラ「椿姫」を演出。イタリアのローマ歌劇場で行われた2018年公演の舞台映像作品。ちなみに日本でも同年に東京文化会館で公演されてる。

・この舞台で思い出すのは、父フランシス・フォード・コッポラ監督作品「ゴッドファーザーPARTⅢ」。このなかでマスカーニのオペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」が登場、そこでソフィアはマイケル・コルレオーネ(アル・パチーノ)の娘メアリー役で悲劇的な役割を演じていた。親子揃って、オペラには思い入れがありそう。

・ただしソフィアをオペラの世界に引き込んだのはイタリアのファッションデザイナーのヴァレンティノ・ガラヴァーニ!ソフィアの監督作「マリー・アントワネット」の色彩やファッションセンスに感銘を受けたヴァレンティノが直電したという。映画では衣装は派手過ぎず、赤と白と黒を使いどちらかというとシンプルで上品。それにミニマルでありながら洗練された舞台装置である大きな長い階段やシャンデリア、家具も衣装と調和してた。

・オペラ作品メモ
ヴェルディのオペラ「椿姫」は原題ラ・トラヴィアータ。訳すと' 道を踏みはずした女' 。1853年発表。
舞台はパリ 青年貴族アルフレードは、パリの社交界の華ヴィオレッタ(高級娼婦)に恋をする。アルフレードの情熱的な愛で、ヴィオレッタは真実の愛を見つけ、二人は困難を乗り越え最後に出会うが、そのときヴィオレッタは結核で命を落とす直前で…

自分の運命を予感しつつも、人生の最後に手に入れた純粋な愛を全うしようとする女の話。

ヴェルディの音楽は力強くシンプル、そして美しい旋律がいい。

オペラはMETライブビューイングや本作のように映像化作品でディテールを映し出されるのを観るのが、自分は好み。
Benito

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