映画大好きそーやさん

グレイト・ガンズの映画大好きそーやさんのレビュー・感想・評価

グレイト・ガンズ(1927年製作の映画)
3.2
アニメーションの可能性を押し広げた、オズワルド・ザ・ラッキー・ラビットシリーズ4作目!
本作は、オズワルドが出兵し、戦場でドタバタ劇を繰り広げるお話です。
現代の価値観から観ているということもありますが、どうにも戦争の描き方が楽観的というか、漫画的過ぎて、好意的に受け取ることができませんでした。
戦争美化とまでは言わずとも、負の面は殆ど描かれておらず、生物の死に関しても軽く扱われ過ぎだと感じました。
当時の認識、常識がそうだったからと言えばそれまででしょう。
その事実を受け止めるという意味で、本作を見ていく方が健全な鑑賞になりそうな気もします。
ただ私個人としては、そのような割り切った見方ができないまま、本作を最後まで観てしまいました。(コメディアニメに何を求めてるんだというお声は頂きそうですがね!笑)
ここまで戦争の描き方でしっくり来ない理由を延々と書いてきましたが、アニメーションとしてのクオリティは非常に高く、その点に関しては前々作『オー、ティーチャー』よりかは評価できると思います。
場面転換の巧みさであったり、表現としての幅が広がっていたりと、見どころは随所に見受けられて、常に目は喜んでいたように感じます。
特に、戦闘機同士の、文字通り殴り合いは面白可笑しく観させて頂きました。(パイロットが空中で戦っているのもツボでした笑)
だからこそ、もう少し戦争を批評的に描いた1幕、1場面があれば良かったのになと悔やまれるばかりでした。
総じて、戦争の扱い方にはノイズを感じざるを得ないものの、アニメーションとしては幾重にも面白さを見い出せる作品でした!