都部

映画 中二病でも恋がしたい Take On Meの都部のレビュー・感想・評価

2.7
蛇足の謗りを受けても仕方のないFDめいた物語は、1期で示される問題定期とその結論の再再定義が中心となっており、表面的な視覚的変化しか意味を持たない日本各地を点々とする展開も長く怠く作劇上の必要性を大きく欠くものとなっている。

交際関係にある二人の前向きな駆け落ちはTVシリーズのそれまでの展開を思うと下位互換の一言で、緊張感/切迫感を伴わない挙動の数々は大規模なデートのようではあるが、その場合 あるいは取って付けたような深刻性が物語の大きな障害となっている。展開される物語の形こそ違うものの、所感としては完結編というか総集編に近い。尺の割にキャラクター同士のアンサンブルも不十分で、安っぽいキャラクターの抱き合わせ商法めいたシークエンスの数々は作品としての格を明確に落としている。

また本作ではあちらからこちらへの移動シーンが大半を占めているが、アニメの延長戦としての映画に適した尺の中でそこで生じる構築された関係性ゆえの妙を感じる遣り取りが成されておらず、また訪れる場所がドラマに有機的に絡まないのも物足りなく感じた。というか全体的にこの物語の姿形に対して起伏がなさすぎる。見せ掛けだけのロードムービー形式その物であるし、決着の付け方も半端極まりない。
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