Omizu

バルバラ ~セーヌの黒いバラ~のOmizuのレビュー・感想・評価

3.7
【第70回カンヌ映画祭 ある視点部門詩的映画賞】
フランスの俳優マチュー・アマルリックの監督兼出演、元妻のジャンヌ・バリバールが主演した。セザール賞では作品賞など9部門にノミネートされ、主演女優賞と音響賞を受賞した。

実在のシャンソン歌手バルバラ、を演じるブリジットという女優をジャンヌ・バリバールが演じている。

バルバラは「ナントに雨が降る」「黒いワシ」などで知られるシャンソン歌手ということだが、浅学にしてその存在を知らなかった。

確かにバルバラとジャンヌ・バリバールは似てる。

多層的な構造になっており、それはアマルリックの前作『青の寝室』もそうだった。

アマルリックは非常に優雅で上品、そして示唆に富んだ知的な映画を作る人だなと本作で確認できた。

全体に憂うような調子で、流れるように虚実が入り混じっていく感じが持ち味。

正直話としてはよく分からないのだが、気だるいシャンソンとシックな美術と衣装を眺めているだけで優雅な気分になれる。セラピーのように画面を見ることだけを楽しんだ。

『青の寝室』の方が好きだけど、これはこれでよかった。僕は好き。
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