こたつむり

ホドロフスキーの惑星のこたつむりのレビュー・感想・評価

ホドロフスキーの惑星(1994年製作の映画)
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♪ 奇妙奇天烈摩訶不思議 
  奇想天外四捨五入
  出前迅速落書無用

「鬼才」アレハンドロ・ホドロフスキー。
彼が編み出した作品は奇想、ゆえに天外。
極彩色の筆致で描かれた物語は容易に理解できません。

というか、ご本人も理解されたくないでしょう。「この作品の○○は××のメタファーで…」なんて“したり顔”で述べたならば「喝ッ」と頭からかぶりつかれて歯形が残っても仕方ない話。彼が求めているのは分析ではないのです。

芸術とは魂のコミュニケーション。
エモーションがエクスプロージョンすればエンターテイメントもエクセレントなアートであり、インポータントなのはストレンジをラブし、エクスクレメントをジュエルにするソウル。

なので、本作も同様。
基本的にドキュメンタリーは“事実を基に作家が主張する”ものですが、本作の前提となっている“事実”とはホドロフスキー監督の“奇妙さ”ですから、判るようで解らない、そんな作品に仕上がっているのでした。

でも、それはある意味で正解。
作品の中で監督さんも仰っていますが、人間は常に成長する可能性を秘めているのです。だから、解った気になった時点で終わり。心臓が止まる瞬間まで手を伸ばし続ける…そんな姿勢が尊いのです。

ちなみに僕も未だに発展途上。
過ちもすれば、新しい発見に胸が躍ることもあります。勿論、年齢的にも若いんですけどね(17歳とン百か月)。同じ世代の人は仲良くしてください。えへ。

まあ、そんなわけで。
『エル・トポ』や『ホーリーマウンテン』に衝撃を受け、その内容を紐解くように触れても“成果が無い”作品。結局のところ、作家の魂は作品に宿りますからね。解説なんて余興にしかならないのです。

ちなみに終盤には“ドキュメンタリーの監督さんがホドロフスキー監督にセラピーを受ける”という斜め上の展開に突入しますが「どこかの自己啓発セミナーの映像が混じったのか?」なんて驚く必要はありません。その部分を含めて『ホドロフスキーの惑星』です。ご留意のほど。
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