りょう

エクスマキナ Ex Machina ー Appleseed Sagaのりょうのレビュー・感想・評価

4.0
 前作の「アップルシード」は、少し哲学的な物語でしたが、続編のこの作品は、ジョン・ウーがプロデュースということで、かなりアクションの要素が強調されていました(オープニングクレジットの最初にプロデューサーの表示というのは、ちょっとやり過ぎでは…)。冒頭から鳩が登場し、2丁拳銃と無数の薬莢というオマージュがわかりやすくていいです。このポスタービジュアルも完璧にその世界観でした。
 全編CGの映像は、戦闘シーンの銃器などの質感で効果的でしたが、人間やバイオロイドの表現は、どうしても不自然になりがちです。当然に賛否ありますが、この当時の技術的な限界なのでしょうから、これはこういうものとして観るのが正解です。
 非核の世界大戦で人類の半数が死滅したという設定なら、現在でも荒廃した世界が残存しているという表現も必要ですが、オリュンポスのキラキラした都市空間ばかりというのは、ちょっと残念です。
 ただ、映画化に当たって、そもそも物語の奥深さは追求されていないようなので、ダイナミックな映像と音響を堪能するのための作品だし、相変わらずちょっと“天然系”なのに最強の女性戦士のデュナンも魅力的でした。
 劇場公開された当時も話題になりましたが、いまとなっては、細野晴臣さんが音楽監修で、坂本龍一さんと高橋幸宏さんというYMOの3人がエンディングテーマを担当していたことも感慨深いです。
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