ヒロ

ナンシーのヒロのレビュー・感想・評価

ナンシー(2018年製作の映画)
4.0
『人の存在は儚いわ 大切なのは今ある関係 触れられる相手』『愛している 無条件で』
なんだ、エスターみたいに引き取った女が、サイコだったって話だと思ったら、違うじゃん!と視聴後思いました。
これはジャンル分類違いますよね。ヒューマンドラマですよね。
ジャンルわかった上で見たら非常に良作だと想います。
↓ちょっとネタバレ












愛されずに育ったナンシーが、失踪した娘を持つ人間的品格の高めな老夫婦に、娘だと偽って近づく話です。
丸め込んで乗っ取ろうとか、エスター的な『悪』はありません。
誰かの特別になりたい、自分を見て欲しい、愛されたい、という欲求行動。
老夫婦が良い人で、次第に良心の呵責に苛まれるわけです。
でも老夫婦2人も真実を分かった上で、ナンシーを受け入れようとします(そこでこのお話の伝えたいメッセージだと思われる、冒頭のセリフを妻エレンがナンシーに言うわけです。)
ナンシーは2人に何も言わず、真夜中出ていってしまう訳ですが、涙を流しながらも笑顔を浮かべています。幸せな気持ちなのです。短い期間でしょうが、ちゃんと愛されたので。
彼女は愛を得ることが出来たのです。

老夫婦のレオとエレンは、娘の失踪を冒頭のセリフからも乗り越え、前に進んでゆく事がうかがえますね。
少し痛みもありますが、癒やしと再生のお話です。
ヒロ

ヒロ