Arteでやってたので見てしまった。
若尾文子の魔女っぷりがすごい。
この人これ素でやってますよね。
あと京マチ子先生の堂々たるなんというかこのあばずれ感。
子持ち娼婦とか、通い娼婦とか、
売春宿のおねえさんたちみんな個性豊か。そしてみんな事情がある。事情があっても決して社会を憎み、ブーたれたりはしない。社会を憎むが生きることに貪欲だ。このドライさがいい。恨んで腐らない明るさ力強さがこの映画に品を与えてる。でも決して赤線を賛美してるわけではない。
そう、これは赤線廃止で消え行く売春宿のお姉さんたちの人間模様。
客には、近所の布団屋とか、大阪から来るビジネスマンとか、うまくだまくらかす上級公務員とかがいるんだけど、そのビジネスマンってのがやたら吹越満ににててびっくりしたんだけど。
構成がいい。
娼婦小屋の女性たちのエピソードを一人ずつくどくならずに描いていく手法。これは社会風俗的に当時の赤線が日本にあったこと、また、色々な地方の女の子がこういうところで働いていたということも(もちろん多少の誇張などはあるにせよ)勉強になり、また法律で売春がなくなっていく現場の雰囲気もよく出てたと思います。
あと音楽が。すごいい。現代音楽サントラ?なのか。黛敏郎と書いてあり納得。日本映画めっちゃアヴァンギャルド!
それにしても、劇中でも若尾文子と京マチ子が仲悪くて、多分オフスクリーンでも仲悪かったんだろうなあと思わせるような個性の違いがとてもいい。