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支那の夜 蘇州夜曲 前篇のmhのレビュー・感想・評価

支那の夜 蘇州夜曲 前篇(1940年製作の映画)
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日中どちらにも向けたプロパガンダ映画。
蘇州(上海)で紳士的な振る舞いをしている帝国軍人(関東軍ではなくなぜか海軍)と、その彼に惹かれて結婚することになる抗日レジスタンス娘のラブロマンス。
昔はよくあった、ヒット曲ありきの映画化企画。
VHSになってる総集編を視聴したんだけど、中国語の会話には字幕がついてなくて、それでもなんとなくわかったつもりで見てたけど、画面右に「二行目の字幕」がチラリと見える箇所がある。なんのことはない、ビスタサイズの左右を切って、VHSに近いスタンダードサイズにしてしまったパターンのヤツだった。
寮かホテルかはたまた下宿かわからんようなところが社交場にもなってる。
「もう一軒だけ行きましょうよ」の会話とか、吸い口をシガレットケースにあててたばこの葉をつめていたりと、現代となんら変わることにない細部がいいね。
主人公である長谷川一夫は終盤になって、海軍の仕事に行ってしまうのだけど、いわゆる砲艦みたいなものに乗ってて、抗日ゲリラ(国民党軍?)に襲われる。設定がレアで面白い。
再会は橋のど真ん中とか、もはやだれも気にしていないような古い作劇作法も良かった。
蘇州といえばスピルバーグの「太陽の帝国」でも登場したなぁとか思いながら見た。
この映画だけの話じゃないけど、娘のことを「クーニャン」と呼ぶのがかわいい。
圧倒的歌声ふくめ李香蘭もかわいいので、それだけでなんかもと取った気になった。
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