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テオレマのblackkazoomaのレビュー・感想・評価

テオレマ(1968年製作の映画)
3.8
昨年、「4Kスキャン版」公開時のポスタービジュアルのテレンス・スタンプ様の眼差しにヤラれて配信を心待ちにしてましたが、ようやくU-NEXTで配信が始まったので早速鑑賞。

◆あらすじ
あるブルジョア一家のもとに謎の青年が来訪する。それまで平穏に暮らしていた家族は、おのおのが青年と接するうちに理性を失い、家庭の均衡が乱れはじめ、ついに一家は離散する。


パゾリーニ作品は『ソドムの市』のイメージが強かった為、若干ビビりながら観ましたが、かなり面白かったです。

宗教的な表現とかはよく分からなかったのですが、小難しいことは抜きにして「訪問者」によっておかしくなっていく家族や、登場人物たちのトリッキーな行動が観ていて単純に楽しめた。
「謎の男によって壊れていく家族」という内容から『家族ゲーム』に似た面白さがありますね。

半世紀以上前の作品ですが、画質が良くなっていたりテーマが普遍的というのもあって古さをあまり感じなかった。

この頃のイタリア映画は所謂 名作と言われる作品がめちゃくちゃあるのに殆ど観ていないことを勿体なく感じたので、古い作品もチェックしていきたいと思うのでした~


◇雑記
・「ブルジョア家族」という枠から外れて最終的に「本来の自分の姿」になったという意味では「良い壊れ方」をしたともとれますね。
・印象的に描かれる配達人役ですが、役名がアンジェリーノ(Angelino)なんですね。「青年」の来訪や去ることを伝える神の使い(天使)なのかなと。
・使用人役のエミリアのインパクトも凄かった。なんやねんその表情w ヴェネツィア映画祭で女優賞獲ってました。
・モーツァルト:レクイエム ニ短調 K.626 - Ⅱ. キリエ
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