今回も安定の脚本の良さが感じられた。
ひろしとみさえが劇中、子供になることで今までの作品とはまた違った無力感の描写が大人的に心を締め付けられた。
また、最初はしんのすけたちに敵対心むき出しだったシリリが野原一家と旅をしていく上で心を開くという流れがベタながらやはりいい展開だったと感じた。
また、道中長崎によるのだが、そこでの背景美術が何故か心に残るような魅力を出していて、ちょっと長崎に行ってみたいなと思った。長崎という街が絵になるというのもあるのかもしれないが坂道のレイアウトがとても良かった。
他にも今回はモブとして過去に出てきたキャラクターが大勢出てきて、クレヨンしんちゃんファンだったら、久しぶりにそれらのキャラを見つけた瞬間にニヤリと出来るのが、少し楽しかった。
アニメーション的にはシリリの回想シーンが優しい色使いと鉛筆の質感が強く出るような表現をしていてかぐや姫の物語を思い出させるような、見ていて感嘆するシーンとなっていた。
今回はしんのすけも名言(迷言も)が多くて、台詞選びのセンスが光っていた。
クレヨンしんちゃん映画は毎年この時期の楽しみのひとつである。