佐藤克巳

熱風の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

熱風(1943年製作の映画)
5.0
八幡製鉄所の長期ロケと円谷英二のミニチュアが良くマッチし、叩き上げの一本調子熱血男の伍長工員藤田進と、科学者で冷静沈着の第四溶鉱炉監督員沼崎勲が、溶鉱炉の神様と呼ばれる技師菅井一郎が言う戦艦一隻に相当する大切な溶鉱炉救護の策ダイナマイト挿入を巡る対立を描いた男性映画のお手本の様な山本薩夫監督の傑作。菅井が疲労困憊で溶鉱炉から落下死、その意志を継いで藤田が残された唯一の一手を敢行し成功すると、一目散に事務員花井蘭子に駆け寄り、同じく藤田を愛する原節子を振り切った。原は素直に花井を祝福し、鉄の増産は可能となり国への貢献は果たされた。
佐藤克巳

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