ゆ

ムーランのゆのレビュー・感想・評価

ムーラン(2020年製作の映画)
3.8
Reflectionが聴きたい一心でタイトルを見つけた瞬間に再生してしまった…けど公開当時に色々と話題になっていたことを見終わってから思い出した。結論から言うとreflectionはBGM扱いで主演が歌い上げるシーンはなし😔

リトルマーメイドでも思ったけど流石の映像美とスケールで、それは認めざるを得ない。幼少期に抱いていたようなディズニー(やオリエンタルランド)へのキラキラとした憧憬の気持ちを、今でも実写映画を見ると思い出すんだなと思った。でももう無批判にディズニーを見ることはできないから…🥲

映画自体は割と好きだったことを前提に…

まず明らかに中国が舞台の作品なのに、英語で作っていることが傲慢すぎると思った。ハリウッド制作だし興行を考えたらしょうがないのかもと思うけど、簡単に言語という文化を捻じ曲げることもある意味で文化盗用ではないの?と思う。ジョジョラビットの時も強烈に違和感を抱いた。

女の美徳とか家の名誉とかいうアジア文化が本当に苦手だと思った。3つの徳が「忠」誠・「勇」気・「真」実なのは理解できるけど、ムーランが嘘をついたのは己のためでしょうか?性別役割分担のシステムのせいですよね。それをムーラン個人に責任を押し付けて、いざ活躍したら褒賞って都合が良すぎるだろうが

アジアの「名誉を汚すなら死」みたいなのも本当に…他の文化圏の人は意味分からないのでは。というか現代日本人である私も切腹文化全く理解できない。

4つ目の徳が「孝」行なのも恩着せがましいなと思ってしまう。思春期に欧米文化を知って儒教的な年功序列に中指立てたから強く思うんだと思うけど

魔女とのシスターフッドは現代作品、ディズニーのポリティカルコレクトネスっぽいなと思った

ムーランが紆余曲折の末に皇帝を盲信してるのも、なんか結局勝者が正史になってるだけで、秩序という意味では正しいのかもしれないけど反乱軍に悪もあんまり見出せなかったし

アジアの性別役割分業を含む文化に敬意を払っての制作かもしれないけど、私はやっぱりその文化自体受け入れ難いから…

そして観ておいて説得力がないけど、新疆ウイグル自治区での撮影は言語道断…さすが「ディズニー」様ですねと思ってしまう

主演女優の香港警察支持も個人的にはあり得ないけど、中国スターの発言って個人によるところではない部分が大きいし、一概に批判し難いと思ってしまった
ゆ