半兵衛

ザ・マジックアワーの半兵衛のレビュー・感想・評価

ザ・マジックアワー(2008年製作の映画)
2.0
三谷幸喜の映画監督作品って自分がどういう映画が好きかを熱弁しまくっているマニアの話を聞いているような作風で、他の人がどういう好みがあるのかを配慮せずとにかく自分の映画愛を押し付けているので物語よりもいたたまれなさや恥ずかしさが残る羽目に。本作もアクション映画なのに古いハリウッド作品への愛が強すぎて現代のアクション作品を無視するあまり凄い古くさくなってしまっている。邦画へのオマージュもファン向けに取り敢えずお見繕った程度のものでだったらやるなよと思ってしまった。そういう意味では映画オタクなのに監督作品では敢えて映画愛はおさえ目にするタランティーノはすごいプロ意識の持ち主なんだな。

それにしても脚本家の柏原寛司も指摘しているけれど、伝説の殺し屋を名乗る偽物とギャングのドラマはまんま『大追跡』の「殺し屋」だったりするがまさかここからパクったのだろうか。ちなみにこちらでは藤竜也が偽物の殺し屋に扮して、他に岸田森や山本麟一、風吹ジュン、トビー門口、蟹江敬三といった超豪華なゲストがノリノリで暗黒街もののパロディを演じていて爆笑ものの作品に仕上がっており必見。
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