MaruFuku

運命の門のMaruFukuのレビュー・感想・評価

運命の門(2014年製作の映画)
3.3
実話ベース。映画の良し悪しでなくカンボジア近代史のアウトラインを勉強する良い機会になりました。

フランス人民俗学者で書籍もあるフランソワ・ビゾの体験記で、1970年代のカンボジアでの体験記。クメール・ルージュ(後々はポル・ポト派となる)に強引にスパイとされて拘束された彼の生還と、その後のカンボジアを描いている。

ベトナム戦争の煽りで1970年に親米政権設立→共産主義の抵抗勢力による1975年の政権打倒→原始共産主義によりインテリ層も全て農業従事

この原始共産主義を求めた「革命がもたらしたものは、腐敗と飢餓と処刑だけ」とビゾが言う。
その主義主張の是非でなく、武器を用いたやり方にしかならなかった悲しさ。


以下覚え書き。

戦後の仏領インドシナ解放>1953年 シハヌーク王政での独立>1970年 米の後ろ盾でロン・ノルがクーデター(クメール共和国設立)>さらにベトナム戦争の煽りで全土に空爆>中国で共産主義派と反体制派が結合>クメール・ルージュが拡大>1975年 クメール共和国を打倒し民主カンプチア設立>原始共産主義により近代化のさらなる遅れ>ソ連・ベトナムの後ろ盾で反抗勢力が侵攻(カンボジア・ベトナム戦争)>ポル・ポト政権追放>80年代の内戦>91年の停戦>クメール・ルージュは内戦継続>徐々に崩壊
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