Eike

アイ・アム・ナンバー4のEikeのレビュー・感想・評価

アイ・アム・ナンバー4(2011年製作の映画)
3.0
TVドラマ的な印象が強いYA向けSF・アクション。
物語はズバリ、「転校生はエイリアン」。
これって日本人からしてみれば昔からよくあるパターンですよね。
ただ、この設定自体はいつの時代にも通用する若者向けのファンタジーと言ったところでしょう。
退屈な日常が破壊されるワクワクした気分、「人とは違った能力に目覚める自分」への願望は常に若者の憧れでもありますからね。

しかし、なのだ。
そういったドラマや小説、(日本なら特にマンガ)に慣れ親しんでいない人なら楽しめるのでしょうが、そうでなければ本作にはやはり「よくある話」という印象がついて回りそう。

加えてデジタル効果を駆使したアクション・スペクタクルは今や完全にスタンダード化してしまっている訳で、よほど工夫を凝らさなければ、もはやアピール力も限定的。
そうなると作品として「個性」を打ち出す為にはキャラクターの造形や細部へのこだわり、つまり「オタク度」の高さが求められることになると思うのだが、残念ながら本作はあまりに「毒気が足りなさすぎ」。

主演のペティファー氏があまりにも「普通のハンサムボーイ」然とし過ぎている点も物足りないですね。
演技はそつなく見られるものの、カリスマ性にも思春期の若者の鬱屈とも無縁に見えてしまいます。
ダイアナ・アグロン扮するヒロインと並ぶと、それこそまるでバービーとケンみたいで著しく個性に欠けます。
こんな美男・美女のメロドラマで今の若者世代のハートを掴むことができると本気で思っているなら勘違いだと思うんですが…。

ただ、元々PG−13というレーティングから分かるように最初から10代前半までをメインターゲットに設定しているのは明白で、その分暴力的な描写が余り多くない点は良いと思いました。
だだ、そうなると今度はユーモアの不足が物足りなく思えてきます。

もっとコメディ調にする位の冒険心が欲しかったですね。
Eike

Eike