Eike

初体験/リッジモント・ハイのEikeのレビュー・感想・評価

3.3
1982年公開の"The 80s"映画の代表格の一本。
公開時に観た感想は「アメリカングラフィティ」より下世話な印象で学園コメディとしてはまずまずの出来といった印象。

ところが後にアメリカに留学した時に感じたのだがこの作品はもはや立派なクラシック作品として愛されているようなのだ。
つまり「誰もが知っているし、観たことがある」作品なのですね(世代に関係なく)。
当時20代でRolling Stone誌に寄稿していたキャメロン・クロウがカリフォルニアの母校のコミュニティやショッピングモールに高校生の振りをして入り込んで見聞きした若者たちの生態をルポした記事が原作。
たしかにそれまでの学園ものには見られなかったようなアケスケな会話(ずばりSexネタですね)やドラッグカルチャー(マリワナ程度ですが)が当たり前のように描かれていて“共感”を呼ぶ作品となったわけですね。
監督が女性のエイミー・ヘッカリングというのも当時では珍しく、確かに女性視点で描かれた初体験シーンのシニカルな視点なども異色で新鮮でありました。
主演のジェニファー・J・リーは今やバリバリの演技派ですが、何といってもマリワナ大好きのスコピリ君(ショーン・ペン!)がサイコーでした。
あのピザの出前を受け取るシーンは本当に笑いました。
すごいコメディアンが出てきた!と思ったのが、今やすっかりアメリカを代表する「名優」となりました。

作品としては現代の感覚から言えばのんびりしたものに思えますがアメリカのポップカルチャーの題材としても一見の価値は十分あります。
80年代というのがどういう時代だったのか雰囲気を感じられるタイムカプセルの様な作品でもあります。
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