翔海

君の名前で僕を呼んでの翔海のレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
3.9
隠しきれない気持ちの裏には。

1983年の夏、北イタリア避暑地。
17歳エリオは、今年も両親と共に別荘で一夏を過ごしている。エリオは、読書・作曲・ピアノの演奏・プールで泳いだりと休暇を満喫していた。そんなある日に考古学の教授である父のもとにアメリカから24歳の大学院生のオリヴァーが助手として訪れる。オリヴァーは自信と知性に満ち溢れて、みんなの中心にいるオリヴァーのことを初めは疎ましく思うエリオだったが、次第に彼への想いを抑えられなくなってゆく。エリオは抑えきれない気持ちをオリヴァーに打ち明ける。大人としてエリオからの告白を拒んだオリヴァーも彼のことを想っていた。一度は拒んだオリヴァーも同じ気持ちだとエリオに伝える。限られた時間を過ごす中でお互いの気持ち確かめ合う二人。結ばれることのない二人の愛の行き着く先は。

切なくて脆くて尊くて。
同性愛が理解されない時代を生きる二人には、愛し合うことすらも人目をはばかる。17歳のエリオは本当の愛を知ったが、それは決して結ばれることのない愛だと分かっていてもオリヴァーを愛していた。オリヴァーは行き着く先を分かっていてもエリオを愛することができたから自分に嘘をつくことなく愛に向き合えたのだと思う。
「今はただ悲しく辛いだろう。だが痛みを葬ってはいけない。お前が感じた喜びを痛みとともに葬ってはいけない。」
父の優しさとエリオが得た経験はこれからの人生の糧になることを伝える強い言葉。
優しき両親をもったことがエリオにとってどれだけ世界を広げさせてくれただろうか。この同性愛の考えは、皆同じな訳では無いからこそ理解され難いことも多く一人で悩んでいる人も多いだろう。今の時代でも根深く理解されない考えが多い。私は映画からLGBTQのことを知ることができたからこそ差別もしないし、それも一種の愛だとも思う。もっと理解のある人が増えてくれることを祈る。

現代のアラン・ドロン。
ティモシーシャラメは、現代における美青年というポジションを築きあげた俳優さん。(私が勝ってに思っている笑)一昔前ではレオナルド・ディカプリオが美青年ポジションであっただろう。その前は正直分からない。私は90'sの映画を見ることが多く、その前の時代のことは詳しくないので誰が当てはまるのかな🤔
それはそうと、友達とこの作品のことを話していてティモシーシャラメは現代のアラン・ドロンかもしれないねという決断に至った笑 アラン・ドロンも太陽がいっぱいしか見たことないけれど、その作品からもアラン・ドロンの美青年感は伝わるほどに。夏×ティモシーシャラメは最強でした。これに勝るティモシーをよく描ける作品はこれからも現れないかもしれない。儚くも脆いティモシーシャラメの姿にメロメロにされました。こんな暑い日々が続く中で夏らしい映画を観れて良かった! 今年の夏は夏らしい映画をたくさん観ようかな☆
翔海

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