ネタバレ
これが行定勲が撮りたかった文芸ポルノ?
まず行定監督と言えば北の零年で吉永小百合が出演を熱望したというエピソードが思い出され、にわかに本作品の監督であることが信じられなかった。
であるならば、相当な何かが描かれているであろうと期待も高まったが・・・・
以前は名作を作ったこともあるが今ではすっかり落ち目の映画監督:板尾創路。監督業も投げやりになり毎日女を変えては肉欲に溺れる日々。しかし、真実愛する妻は意識なき重病で入院中。入院費さえ滞り借金を前妻に頼むどうしようもなさ。なぜか前妻が売春で金を工面し元夫に渡すが、その金を病院に支払った後またもや看護婦と不倫性交。しかも意識なく横になっている妻の前で。ところがその騒動の最中妻の手が動く・・・・というお話。
最初板尾さんを見た時は「端役はいい味出すけど主役は荷が重いのでは?」という思い。案の定最適とは言えない不味い演技。何度も「違う中堅役者ならもっとまともになるはずだがなぁ・・」と色々俳優を思い浮かべることになる。
結局誰がいいかは確定できず、誰なら良かったんだろうね。
色とりどりの無名女優とのポルノシーンは確かに官能的ではあっても、芸術性へと昇華しているとは言い難い雰囲気。
福生のアメリカンハウス的なセットと、サティのピアノ曲がアンニュイな気分を醸し出していたとは言えるだろうか。
やっぱり板尾さんは絶対違う! もっとハンサム(すぎても駄目)でがたいもよく、ひげ面も似合うちょい悪風が勝手なイメージ。誰だろ・・・
まぁ行定監督が本作に満足されているなら他人がとやかく言うことではないのでしょう。
総評二つ星
002008