キネマ寸評

デアボリカのキネマ寸評のレビュー・感想・評価

デアボリカ(1973年製作の映画)
3.9
ホントにローズマリーの赤ちゃんとエクソシストを足したイタロトラッシュなホラー。

それにしてもしかし全編よく喋る悪魔。
あまりにナレーターっぽくてジェントルなお声なんで悪魔に思えないのだが、ベラベラとよく喋るのだ。時代が変わって俺の活躍の場がねーみたいな。

ネタバレーーーーーーー
悪魔の愚痴でスタート。オーバーラップしていきなりオッパイ。

ジェシカは身に覚えのない妊娠をした。避妊してたのに3人目ご懐妊。おっかしーなー、旦那のロバート。早速家族で仲良しの医者のジョージに診てもらうともう3ヶ月と。いや、生理終わって7週間なんだけど。

だんだんと精神的に不安定になるジェシカ。娘ぶっ叩いたり、旦那の金魚の水槽カチ割ったり。しまいには買い物で外出た時、道端のバナナの皮をあらバナナね、と拾ってペロペロ食べ出す始末笑。

ご自宅もポルターガイストやらジェシカの首回転などが始まり子供達が「ママと一緒にしないで」と懇願しジョージ宅へ。
そりゃやだよな、うつ伏せで寝てるお袋のとこに逃げ込んだら、そのままの体制で首だけこっち向かれたら相当ビビるよな、しかも笑いながら。

そんなしてたらジェシカの元カレ、ディミトリがロバートに接触。「私しか彼女を救えない!2、3時間外で暇つぶしててくれ」と説得され、フラフラと出て行って元カレとカミさん自宅で2人きりにしちゃうアホなロバート笑。うなだれて街を歩くとミュージシャンがピロピロ笛吹きながらずっと付いて回る。超ウザい。なんだこりゃ。
その頃ディミトリは壁に顔くっつけて叫んでるだけだった。つまりなんの役にも立ってなかった。

ジェシカは完全にエクソシストのリーガン顔になりベッドルームに引きこもり。枕は寝ゲロで汚れ、緑のゲロ出してもっかい食べてやるから旦那眉間にシワでドン引き。胡座かいて回転したり、三身に分身したり(ここがチープで逆に怖い)、飛んだり、ロバートは念力で飛ばされて失神。

悪魔がベラベラとまた良く喋る。ディミトリは実は悪魔の子を産むための手先だった。でも実は死んでいて今回テンポラリーで協力させられていることを知って落胆、ゲロまみれでジェシカの腹を叩くが無事ジェシカは出産した。

フェリーの上のロバート一家。
ジェシカとロバートは疲れ顔。子供はニコニコ。息子の目が白目。
なんのこっちゃ?
ーーーーーーー

脚本が片手落ちで伏線がどうなったかよくわからず最後も悪魔の赤ちゃんはどうなったかもよくわかんない。
しかも赤ちゃんそっちのけで息子の目が光るとかあの出産劇はなんだったんだ?

それでもなぜか明るく観れてしまうのは、全編で流れるファンキーなソウル、ファンクミュージックのせい。どんな場面でもファンキーなのである笑。しかもタイトルロールでいきなりテーマ曲のスタジオ録音ライブをパンチインするカッコよさ!Bargain with the devil、これは是非聴きたい。
しかもだ、エンドロールでかかる曲がなんだかチューブラーベルズをパクってファンクリミックスしたような粋な計らいなのだ。イタリア人のパクリ気が利くな。

ジュリエット・ミルズが柔和な顔したややオバハンなんであんまり怖く無かった。ディミトリにサンゲリアで首後ろから噛まれるリチャード・ジョンソン。アルジェント常連のガブリエル・ラビア。ジョージのカミさん、バーバラ役のエリザベス・ターナーが美しくてこの人が主役だったらと何度も思ってしまった。

デアボリカは3部作。息子がまた白目になってダリア・ニコルディが絶叫する二作目ザ・ショックに続く。
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