ぽち

薔薇の眠りのぽちのレビュー・感想・評価

薔薇の眠り(2000年製作の映画)
3.1
デミがラジー賞最低女優にノミネートされ興行的にも大ゴケした作品だが、ちょっと見方を変え脳内補正するとかなり楽しめる。

世間の不評を買ったロマンス部分は確かにベタだし、ヒロインの二股を延々見せられるので共感も出来ない。

しかし基本プロット「二つの現実を生きる」というところをメインに持ってくればハードSFにもファンタジーにもサイコ系にも出来たのに残念。
例えばすべてが仮想現実で、二つの世界があるのはプログラムのバグ。でもこれだと前年公開のマトリックスのパクリになるか。
それか、両世界とも人口冬眠しているヒロインが見ている夢。これだと翌年公開のバニラスカイとかぶるな。
バッドエンドなら実験用の脳ミソが見た夢。ラストシーンは水槽に浮かぶ脳。

などなど、いろいろ想像して脳内変換しながら見ると楽しめる。

どちらが現実かと言うサスペンスは今作でも描かれているが、突込みが足りないのと、基本的に二股女が男を捨てることを正当化するためにこのプロットを味付けとして使ったのが敗因。

夢世界住人に別れを言って・・・・というのは甘すぎるかな。バニラスカイのように、住人が自分が夢の産物だと気付いて・・・ってシーンが欲しかった。

そして今作の一番の存在意義がデミの自然な美しさを見られる最後の作品ということ。
次回出演作のチャーリーズ・エンジェル/フルスロットルからは2600万円以上かけた整形手術によりかなり不自然。
おまけにここを境に整形を重ねたせいで顔面崩壊に至ってしまう。

ということで、美しいデミを眺めながら、「こんなストーリーも作れたなぁ」と想像を楽しむことが出来ると面白い作品だろう。
ぽち

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